想定外の災害にどう立ち向かうべきか

草津白根山が噴火したことが大きな話題になっています。

今回の噴火は噴火警戒レベル1で発生しており、予測が困難な噴火であったことがうかがえます。今回のように、専門家でも予測が困難な災害が発生した場合、すぐに「予測できなかったのか」という一種の責任論のような話になってしまいます。多くの犠牲者を出した2014年の御嶽山噴火の時もそうでした。

しかし、災害対策という視点で考えると、「災害発生自体が予測可能かどうか」を議論するよりも、「その災害が発生した場合になにをすべきか」という対策を考える方が重要です。

ちょうど噴火の前日、東京では数十年ぶりの記録的な積雪が観測され、交通機関を始めとした多くの都市機能がマヒしました。防災・減災という観点からは、予測困難な草津白根山の噴火よりも、容易に予測できるのに大きなインパクトを受けてしまった大雪の方がはるかに問題です。

予測可能な災害を防げない状況で、予測不可能な災害の発生リスクを議論するのは本末転倒と言わざるを得ません。

想定外の災害とBCP

少し話は変わりますが、想定外の災害についてどう対策を立てればいいのでしょうか。発生事象型のBCPは蓋然性の高い災害の発生とその被害程度を想定して策定されるのが普通ですから、今回の噴火のような想定外の災害にはそのままの形では対応できません。

全ての災害を想定したBCPを策定するのは現実問題として不可能です。かと言って全く想定する災害を設定しないと何を目標にすればいいのかわからなくなってしまい、BCPの実効性も下がってしまいます。つまり、BCPは災害の範囲をある程度想定しておきつつも、想定外の事態に対する活動も視野に入れなければならない、というジレンマを抱えていると言えます。

想定外の事態に対する活動能力を高めていくためには、訓練・演習を繰り返して実施することで、社員の応用力を底上げしていくことが重要です。

現行BCPの内容について社員が習熟していけば、想定外の事態にも対応できる応用力が備わっていきます。同じ内容の演習を繰り替えすのではなく、現行BCPでは対応できないトラブルを少しだけシナリオに盛り込むとさらに効果的です。訓練・演習でスタッフの柔軟性や応用力を養いつつ、その結果を踏まえて可能な範囲でBCPを改定していくというのが想定外の災害に対する最大の対策と言えるのではないでしょうか。